上手いこと活用すると、自腹2000円で返礼品を受け取れる!
と、オトクなふるさと納税ですが、
※その仕組とか基本の計算方法は↓こちらを参照
何が何でも2000円でゲットできるというわけではなく、
ご自身の所得額などに応じた控除の上限があります。
調子に乗って爆買いするとむしろ損!いや、大損(泣)
※と言うか、本来は寄付扱いなので、損得考えちゃいけないんですが。
ってなことにもなるので、そのへんの
ふるさと納税の上限に関することを解説しておきます。
ふるさと納税による控除額の計算おさらい
前回の記事で解説してますが、計算式だけを抜粋するとこんな感じです。
- 所得税からの控除…(ふるさと納税額-2000円)×所得税率
- 住民税からの控除(基本分)…(ふるさと納税額-2000円)×10%
- 住民税からの控除(特例分)…(ふるさと納税額-2000円)×(90%-所得税率)
所得税率の上限は45%なので、これを上限なしにやると、
2000円払うだけで税額の半分近くが免除とか、住民税ほぼタダ、ということになりますが、
そんなうまい話があるわけもなく、当然そこには上限が設けられてます。
※それに本来の自治体に住民税が渡らなくなっちゃうし。
(各自治体で返礼品争いとかカオスだわ。。)
各控除の上限について
先程のそれぞれの上限を抜粋すると
- 所得税からの控除…総所得額の40%がふるさと納税額の上限(控除額の上限では無く)
- 住民税からの控除(基本分)…総所得額の30%がふるさと納税額の上限(控除額の上限では無く)
- 住民税からの控除(特例分)…住民税所得割額の2割を超えた場合は、控除は住民税所得割額の2割
細かい事は無視してこれを受けれる控除の上限にざっくり言い換えると
- 所得税からの控除…本来払うべき所得税の大体半分くらいまでは引いてくれる
- 住民税からの控除(基本分)…本来払うべき住民税の大体30%までは引いてくれる(住民税の所得割の税率10%なので)
- 住民税からの控除(特例分)…本来払うべき住民税の大体20%までは引いてくれる(〃)→合わせて住民税の半分くらいまで
ただしこれはそれぞれの項目単体でのMAXなので、
総合的に一番得しようとすれば
- 住民税からの控除(特例分)…住民税所得割額の2割を超えた場合は、控除は住民税所得割額の2割
↑これに制限されて最終的には
本来払うべき税金(所得税と住民税)のそれぞれ8~15%くらい、というのが控除される上限に設定されています。
あと当然ですが、本来払うべき税金が無いのであれば
ふるさと納税してもタダの寄付なので、金額上の得は何もないです。
一定ラインから買えば買うだけタダの支払いに
自己負担分は2000円で収まらず返礼品の額だけ単に支払いが増えますので注意を。
まぁ、そもそも寄付なので、損とか考えちゃイカンのですが、
ただ欲しいものがあって買うのであれば、フツーにAmazonとか楽天で買ったほうが安いですw
大体寄付額の30%くらいになるように返礼品が設定されてるトコがほとんどですので。
一番オトクになるふるさと納税額の目安は?
先程の上限で書かれてる通り、自身の所得額の何%までを上限に、
控除対象になるふるさと納税額が決まっています。
総所得額というのと住民税所得割額というのは厳密には違いますが、
全ての項目を上限超えない範囲でふるさと納税をするのであれば、
- 所得額の2.0~2.5%くらい、もしくは
- 給与額の1.0~1.5%くらい
を目安にふるさと納税の返礼品を選べば、
自己負担2000円に1番近くなるはず。
※高額所得の人はここではあまり考慮せず言ってます。
もうちょい細かい、と言ってもまだまだざっくりなんですが、
先程の各上限計算から出してみた、1番お得になる「ふるさと納税額の目安」はこれ
所得 | 額面給与例※ | 自己負担2000円になる ふるさと納税額のボーダーライン目安 |
所得に対して | 額面給与に対して |
300,000円 | 1,570,000円 | 10,000円 | 3.4% | 0.7% |
500,000円 | 1,800,000円 | 13,000円 | 2.7% | 0.7% |
700,000円 | 2,040,000円 | 16,000円 | 2.3% | 0.8% |
1,000,000円 | 2,390,000円 | 21,000円 | 2.1% | 0.9% |
1,500,000円 | 2,980,000円 | 28,000円 | 1.9% | 1.0% |
2,000,000円 | 3,570,000円 | 38,000円 | 1.9% | 1.1% |
3,000,000円 | 4,750,000円 | 57,000円 | 1.9% | 1.2% |
5,000,000円 | 7,100,000円 | 110,000円 | 2.2% | 1.6% |
7,000,000円 | 9,450,000円 | 167,000円 | 2.4% | 1.8% |
※所得控除は最低限の基礎控除と給与所得控除、なんとなくの社会保険料(給与の15%くらい)のみで計算。
(配偶者控除や扶養控除、保険料控除などもあるので実際は多少変わります)
ピッタリはムリ、というか逆に気分よくない気がする
と言うのは、バラエティーでよく見るピッタリ買う系企画並にムズいと思うので、
上記のざっくり目安で予算決めて好きなもの、
もしくはヒイキにしたい地方自治体を選ぶのが
一番気持ちよくふるさと納税出来ると思います。
ふるさと納税で実際の控除額がどうなるか計算
これ読んでる人でそこまで細かい人が居るのか謎ですが、
もし超細かく把握したい、ということであれば先程出てきたものの内
- 総所得額
- 住民税所得割額
について理解する必要があります。
その辺も交えながら実際の計算をやっていくとこんな感じです↓。
総所得額から計算する、ふるさと納税額の上限
これは例えば会社勤めの方であれば、給与の額面支給額の総額、では無いです。
そこから各種控除を引いて最終的に課税対象となる所得額のことで、
源泉徴収票で言うところの、
①が給与の額面支給額の総額に相当して、
②-③が総所得額にあたります。
※その後確定申告で医療費控除やら出した場合には確定申告書の最終所得額になります。
なので、ここの額が↓こいつのように
300万円だとして先程の
- 所得税からの控除…総所得額の40%がふるさと納税額の上限(控除額の上限では無く)
- 住民税からの控除(基本分)…総所得額の30%がふるさと納税額の上限(控除額の上限では無く)
に当てはめた算出例をやってみると、
- ふるさと納税額上限=120万円
- 所得税からの控除MAX=(120万円-2000円)×10% =119,800円
※ちなみに本来の所得税額:約20万円(税率10%、控除97,500円)
ハマーダメでもジムニーとかならもしや。。。
あと、ジムニーも返礼品に無いと思うよ。
- ふるさと納税額上限=90万円
- 所得税からの控除MAX=(90万円-2000円)×10% =89,800円
というわけでこの時点で、所得税からの控除に使えるふるさと納税額と30万円差が出てます。
次の計算でどかっと引かれるとか無いの?
所得割額から計算する、ふるさと納税額の上限と最終結果
それで次の住民税(特例分)の上限は「住民税所得割額」というのを元に決められてるから、
また少し計算の元になる所得額が変わってきます。
細かいことは後に解説しておくのでここでは先に計算結果だけ見てみます。
- 所得税からの控除(特例分)=(120万円-2000円)×(90%-10%) =958,400円
なんだけど、こいつの所得割額は計算したら約22万円。なので、
- 特例分の上限額=22万円×20% =4.4万円
これ全部集計すると、控除額は119,800+89,800+44,000 = 253,600円
そしてふるさと納税額は120万円でした。
多分Amazonとかでなら4~50万円で買えると思うよ^^;
程よくふるさと納税したなら
さっきのは極端な例ですが、
あまり収めすぎても自己負担が増えるだけになります(本来の寄付目的であれば問題なしですが)。
なので前述の大まかな目安で返礼品を選んだ場合も見てみるとこんな感じ。
↓この額でさっきの計算してみると
- 所得税からの控除 =(57,000-2,000)×10% = 5,500円
- 住民税からの控除(基本分) = (57,000-2,000) × 10% = 5,500円
- 住民税からの控除(特例分) = (57,000-2,000) × (90%-10%)=44,000円
自己負担額 = 返礼品:57,000円 - 控除計:55,000円 = 2,000円
こんな感じで自己負担が実質2000円になります。
ただ、これを超えても少しづつ自己負担額が上がるだけで(2000→3000、4000円と)、一気に負担増えると言うものではないので、
多少超えても気にせず好きなもの選ぶのが良いと思います。
【ふるさと納税】みんなでワイワイ〜多機能万能調理グリル |
↓あと以下はもっと細かくふるさと納税額を計算したい場合用。正直ここまでしなくて良いとは思いますが。
住民税所得割額から計算するふるさと納税の上限額
住民税(特例分)で使えるふるさと納税額の上限は
- 住民税からの控除(特例分)…住民税所得割額の2割を超えた場合は、控除は住民税所得割額の2割
となるのですが、この住民税所得割額と言うのは、
住民税の内の所得に応じてかかって来る部分の額の事で
- 所得割額…所得に応じて出された数字に税率(今は10%)をかけて算出される部分
- 均等割額…所得に関わらず、一律で課せられる金額(自治体ごとに違うがだいたい5000~10000円くらい)
↓計算式はこれ
所得割額 =(前年の給与額-給与からの控除)× 税率 - 税額控除
※所得の計算(所得からの控除額)が所得税での計算と少し異なります。
この辺の計算は結構ややこしいので、ざっくりだったら
- 源泉徴収票の、(給与所得控除後の金額②-所得控除の額③)×8%
という、超ざっくりでも良いんでない、と思うトコ。(そもそもピッタリの返礼品選ぶのムズいので)
でも、ややこしいから細かいトコは割愛してまずは上のざっくりなやつ出すと、
所得割額は → 所得300万円×8%=24万円ということだね。
聞いてもよく分からない自信あるけどw
所得割額の算出をちゃんと細かく計算するなら
総支給額(◯円超え~◯円以下) | 給与所得控除額 |
~180万円 | 支給総額×40%か65万円の高い方 |
180万~360万円 | 支給総額×30% + 18万円 |
360万~660万円 | 支給総額×20% + 54万円 |
660万~1000万円 | 支給総額×10% + 120万円 |
1000万~1200万円 | 支給総額× 5% + 170万円 |
1200万円~ | 230万円 |
こっちで計算すると給与所得控除後の金額は、
君の場合、475万円-(475万円×20% + 54万円)=326万円
あと、独身よね?
独身だと配偶者控除はないから↓こんな感じで計算されるよ。
326万円-33万円(基礎控除※所得税計算より低く設定されてる)-75万円(社会保険料)=218万円
↓これが赤字の部分
所得割額 =(前年の給与額-給与からの控除)× 税率 - 税額控除
これは住宅ローン控除とかだからこいつは今回無視して、
これでやっと給与所得割額=約22万円というのが出てくるよ。
だから、先に出したざっくりな目安で決めたら良いと思うよ。
別にピッタリにしなきゃいけないと言うものではないんで。
ふるさと納税額の上限についてまとめ
人によって給与から控除される額が違って、ピッタリ計算しようとするとかなり大変なので、
ざっくりな目安として、
所得 | 額面給与例※ | 自己負担2000円になる ふるさと納税額のボーダーライン目安 |
所得に対して | 額面給与に対して |
300,000円 | 1,570,000円 | 10,000円 | 3.4% | 0.7% |
500,000円 | 1,800,000円 | 13,000円 | 2.7% | 0.7% |
700,000円 | 2,040,000円 | 16,000円 | 2.3% | 0.8% |
1,000,000円 | 2,390,000円 | 21,000円 | 2.1% | 0.9% |
1,500,000円 | 2,980,000円 | 28,000円 | 1.9% | 1.0% |
2,000,000円 | 3,570,000円 | 38,000円 | 1.9% | 1.1% |
3,000,000円 | 4,750,000円 | 57,000円 | 1.9% | 1.2% |
5,000,000円 | 7,100,000円 | 110,000円 | 2.2% | 1.6% |
7,000,000円 | 9,450,000円 | 167,000円 | 2.4% | 1.8% |
※所得控除は最低限の基礎控除と給与所得控除、なんとなくの社会保険料(給与の15%くらい)のみで計算。
(配偶者控除や扶養控除、保険料控除などもあるので実際は多少変わります)
この表にない額でもう少し細かく目安知りたかったら
- 所得額の2.0~2.5%くらい、もしくは
- 給与額の1.0~1.5%くらい
というのでざっくり予算を決めて、あとは多少前後しても大損するわけではないので
- 返礼品の中から自分の欲しいもの
- ヒイキにしたい地域のもの
とかで選んでやると良いと思います。
もともとは、ヒイキにしたい地域への寄付で、
そのお礼にちょっとしたものがもらえるよ、というのが前提なので
あまり細かくなりすぎないほうが気持ちよくふるさと納税出来るんじゃないかなと思ってます。